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“若返り”を合言葉に(星野)

 経済財政諮問会議の専門調査会が、「グローバル経済に生きる―『若返り』を」という報告書をこの7月2日に出した。
 東西冷戦が終わった1990年代は、ロシア、中国、インドなどの諸国が、かつての計画経済から市場経済へ移行する転換期だった。ヒト、モノ、カネ、技術、情報などがとび交う諸国間の壁を低くし、市場経済で世界が一体となって発展する新たな仕組、グローバル化の時代の始まりでもあった。
 この流れの中でアメリカが輝をとりもどした。軍事産業から生まれたディジタル革命のシーズの民主転換という冷戦後の“平和の贈り物”もあって最先端産業をリードし、90年代後半には不況知らずのニュー・エコノミーを謳歌した。70年代のドル切下げ、ヴェトナム戦争の敗北、スタグフレーション、80年代の財政収支と国際収支の双子の赤字、そして世界経済で一人勝ちしていく妖怪日本経済の脅威という悪夢も薄れた。
 一方、このように、劇的に世界が変化しつつある中で、日本経済はほぼ経済成長率ゼロの10年間をすごした。経済統計に関心の深い人々の目には“失われた10年”とそれが映る。
 しかも、21世紀の幕が開けてみると、中国の毎年の経済成長率は10〜12%、インドのそれは7〜9%、そしてロシア5〜8%、ブラジルも5%をこえ出した。一方わが国は依然として1〜2%と世界でも最低の部類の成長率だ。そのうえ、すでに早いスピードで高齢化が進み出し、現実に人口が減り始めている。
 日本経済は、このまま上げ潮にのった世界経済の中で沈没し続けるのだろうか。アメリカのように復権のチャンスはないのだろうか。
 これが多くの日本人が漠然として抱いている不安ではなかろうか。そして一人ひとりにとっては、私のような後期高齢者は、いつまで年金、医療保険に守られてハッピー・リタイアメントを続けられるのだろうか、息子にとっては、会社が競争に敗れ、何時リストラされないだろうか、孫達は一体将来何になれば希望がもてるのだろうか、と、それぞれに不安をもちながら日々を送っている。
こんな中、諮問会議の専門調査会が、「若返ろう」というメッセージを送ってくれた。
 報告書は「日本経済の若返り」の提言だが、私には“日本の皆さん、若返りましょう”のメッセージに聞こえる。
 年金、医療など心配が消えるわけではないが、今過ごしている日常生活を「若返り」の目線で見直してみようと思う。回らなくなった肩や腰をもうひとひねり回すことで、もしかすると、ゴルフのスコアも少しはよくなるのでは、と思ってみたりする。
 皆で「若返り」を合言葉にしてこの日本をよりよいところにしたいものだ。間近に迫った総選挙、皆が「若返り」を合言葉にできるようなリーダー、政党を選びたいものだと思っている。

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